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軽度認知機能障害の発症率の男女差 [認知症]

男性は女性と比べ軽度認知機能障害の発症率が高い
軽度認知機能障害(MCI)の発症率には性差が見られ,女性と比べ男性の方が発症しやすいと,米メイヨー・クリニックのグループがNeurologyの1月31日号に発表した。

MCIの発症率に関するこれまでの報告では,タイプ別の検討はあまりなされていない。
同グループは,男女別のMCI発症率とタイプ別(健忘型MCIと非健忘型MCI)の発症率について検討した。

対象は2004年10月の登録時の年齢が70〜89歳で,認知機能が正常だった1,450例。登録時とその後15カ月間隔でClinical Dementia Rating scale,神経学的評価,神経心理学的検査などの評価を行い,MCIの発症の有無を調べた。

追跡期間中に296例がMCIを発症した。
年齢と性を標準化した1,000人年当たりのMCI発症は63.6例で,女性の57.3例に対し男性は72.4例と多かった。
1,000人年当たりの健忘型MCIの発症は37.7例,非健忘型MCIの発症は14.7例だった。
健忘型および非健忘型MCIの発症も,男性(43.9例と20例)が女性(33.3例と10.9例)より多かった。

また,教育歴12年以下の群は教育歴がそれより長い群よりMCIを発症しやすい傾向が見られた。

<原文>
The incidence of MCI differs by subtype and is higher in men: The Mayo Clinic Study of Aging.
Roberts RO, et al. Neurology 2012; 78: 342-351.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/sites/entrez/22282647

出典 Medical Tribune 2012.2.16
版権 メディカル・トリビューン社

アルツハイマー病が遺伝子組み換えコメで減少 [認知症]

アルツハイマー病 蓄積たんぱく質、遺伝子組み換えコメで減少 東大チーム
◇マウス実験成功
遺伝子組み換えのコメを使いアルツハイマー病の脳に蓄積するたんぱく質を減らすことに、東京大の石浦章一教授らのチームがマウスの実験で成功した。
アルツハイマー病予防の「食べるワクチン」をめざした研究で、科学論文誌「ワクチン」に掲載された。【青野由利】

アルツハイマー病患者の脳にはベータアミロイド(Aβ)と呼ばれるたんぱく質でできた老人斑がみられる。
Aβが脳に蓄積し、複数の過程を経てアルツハイマー病につながると考えられている。

石浦さんらは、Aβを攻撃する抗体を体内に作らせて蓄積を防ごうと、食べるワクチン作りに取り組んできた。
これまでにAβの遺伝子を組み込んで育てたピーマンの葉をすりつぶし、アルツハイマー病のモデルマウスに食べさせたところ、脳内のAβが減少した。

今回は、Aβ遺伝子を組み込んだコメを6匹のモデルマウスに10日に1回、16カ月食べさせた。
さらに免疫増強をねらってAβを1回注射した。その結果、Aβに対する抗体価の上昇にあわせ、脳内のAβが減少した。
さらに、迷路を使った実験では記憶力の改善傾向が見られた。

米国ではAβを注射するワクチンの治験が髄膜炎の副作用で中止されている。
石浦さんは「経口投与なら防げるはず」と話している。

出典 毎日新聞 2011.8.29
版権 毎日新聞社

80歳以上の高齢者でのアルツハイマー病の検出 [認知症]

80歳以上の高齢者ではアルツハイマー病の検出は困難
アルツハイマー病の症状は、80歳を超えると検出が難しいとの研究報告が、医学誌「Neurology(神経学)」オンライン版に8月10日掲載された。
この研究は、アルツハイマー病患者105人および非認知症者125人を対象としたもの。
被験者は60~75歳(若年~高齢)、80歳以上(超高齢)のグループに分類され、脳スキャンおよび言語、注意力、情報処理速度、実行機能、短長期の記憶を評価するテストを受けた。

その結果、全体的な認知障害レベルは両グループで同様であったが、アルツハイマー病に伴う変化パターンは、若年~高齢グループに比べ、超高齢グループでは顕著ではなかった。
同年齢グループの非認知症被験者と比較した場合、実行機能、短期記憶、注意処理速度の異常度は、若年患者よりも超高齢患者において少なかった。
さらに、大脳皮質の特定部位や小脳全体がひどく薄くなる現象も、超高齢患者では少ないことが判明した。
これらの部位は年齢とともに薄くなるが、超高齢健常者と超高齢アルツハイマー病患者ではその差は少なかったという。

研究を行った米カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)のMark Bondi氏は、「85歳以上は世界的にも最も人口増加が加速されている年齢層である。今回の研究は、アルツハイマー病において、年齢がいかに脳萎縮および認知能変化に劇的な影響を与えるかを明白に示している」と述べている。

Neurology, news release, Aug. 10, 2011

原文
Alzheimer's Harder to Detect in the Very Old
Brain scans in those aged 60 to 75 with the disease were more definitive than brain scans of those 80 and older
http://consumer.healthday.com/Article.asp?AID=655533

http://health.nikkei.co.jp/hsn/index.aspx?id=MMHEb1000023082011
いきいき健康 世界の健康最前線 2011.8.23(一部改変)
出典 Health Day News 2011.8.11
版権 Health Day

アルツハイマー改善に新化合物 [認知症]

神経死なす物質の放出を抑制 難病治療薬に応用期待
過剰になると神経細胞を死滅させる神経伝達物質「グルタミン酸」が細胞から放出されるのを抑制する化合物を作り出したと、名古屋大などの研究チームが21日発表。
米科学誌プロスワン電子版に掲載された。

チームの錫村明生教授は「筋萎縮性側索硬化症(ALS)やアルツハイマー病などの神経難病の進行を抑制する治療薬開発への応用が期待される」と話している。

免疫機能を持つ細胞ミクログリアが活性化すると、グルタミン酸が大量に発生。

ギャップ結合という出口から細胞外に放出され、神経細胞を死滅させる。

チームは出口の形成を妨げる化合物を作り出し、モデルマウスに投与したところ、グルタミン酸の放出を顕著に抑えたという。

http://www.47news.jp/CN/201106/CN2011062101000607.html
出典 共同通信 2011.06.22
版権 共同通信社

以下、朝日新聞・朝刊 2011.6.22の記事から追加しました。
■発見した化合物は「INI0602」。甘草の主成分から作り出された。
■神経細胞が死んだり、弱まったりすると「掃除屋細胞」のミクログリアが異常なまでにグルタミン酸を放出する。過剰なグルタミン酸は神経細胞を傷つけ、アルツハイマー病やALSの原因になると考えられてきた。
■そこで、研究グループは2006年、ミクログリアからのグルタミン酸放出のメカニズムを解明。グルタミン酸の放出口を阻害する薬剤を治療に使えないか試してきた。
■INI0602は、薬剤が血液から脳へ運ばれないようにする「血液脳関門」を通過しやすく、脳の細胞にも効果がある。
■試験の結果、グルタミン酸の放出出口だけをふさぎ、実験のマウスでは病状の改善に成功した。
■神経同士の情報を改善する従来のアルツハイマー病の薬とは違い、神経細胞が死んでしまう現象を抑える効果がある。今後の薬剤化が期待される。


貼付タイプのアルツハイマー型認知症治療剤「リバスチグミン」 [認知症]

ノバルティス ファーマと小野薬品工業は、日本で初となる貼付タイプのアルツハイマー型認知症治療剤「リバスチグミン」の承認を取得した。

「今回承認を取得した『リバスチグミン』はパッチ型であるため、飲み忘れ、飲んだのかどうかわからないという問題を解消する薬である」と、ノバルティス ファーマ 医薬品事業本部長の二之宮義泰副社長。

では、この「リバスチグミン」が発売されることによって、アルツハイマー型認知症患者やその周りの介護者にどのような影響を与えるのだろうか。
香川大学医学部 精神神経医学講座 教授の中村祐先生が詳しく解説してくれた。
「認知症は、年齢とともに出現率が上昇し、85歳以上では4人に1人が認知症である」と、高齢者のほとんどが認知症を発症する可能性があると警告する。
「認知症は、アセチルコリンなどを分泌する神経細胞の低下や細胞死が病態といわれている。アセチルコリンが低下する認知症はアルツハイマー型認知症が多いものの、ほとんどの認知症に該当する」とのこと。
「2007年に実施したアンケートによると、高齢者の半数以上が、がんよりも認知症にかかりたくないと回答していた」と、高齢者にとって最も恐ろしい病気が認知症であるという。

「アルツハイマー型認知症が進行すると、記憶力や判断力の低下にともなって、日常生活で普通に行っていた動作が困難になる。つまり介助が必要となり、患者や介護者のQOL(生活の質)を低下させてしまう。なかでも服薬管理能力が低下しやすいことがわかっている」と、薬を飲んだかどうかがわからなくなってしまうことは、さらなるQOL低下につながると中村先生は訴える。
「これまで、アセチルコリン作用を分解する『アリセプト』という飲み薬しかなかったが、新たに飲み薬の『レミニール』と、パッチ型の『リバスチグミン』が承認された。これによって患者の選択肢が増えたと同時に、パッチ型の薬が発売されたことで、服薬管理がしやすくなると思う」と、貼っているかどうかがわかるパッチ型は、患者と介護者双方にとって利便性の高い薬であると中村先生は述べていた。

「さらに、飲み薬では、薬を直接胃に入れるため、嘔吐など副作用がみられたが、パッチ剤では、消化器症状への影響も少なく副作用が起こりにくい。また、血中濃度の急激な上昇を抑えるなど、利点が多い点も魅力だ」と、経口しないことによるメリットが期待できるという。
「パッチ剤の使いやすさと評価について、介護者にアンケート調査を行ったところ、1日1回貼るだけで、服薬忘れを防ぎやすく、時間も手間もかからないなどの点から、好意的な回答が多かった」とのこと。
「アルツハイマー型認知症は、患者や介護者のQOL低下を防ぎ、日常生活機能を1日でも長く普通に維持させることが重要であると考えている。薬の選択肢が増えることは、この目標を目指すうえで、非常に意味のあることだと認識している」と、今回のパッチ型治療剤の発売が、患者と介護者に大きな望みを与えるものであってほしいと期待を込めていた。

以下、略。

http://www.mylifenote.net/014/110620_6.html
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