貼付タイプのアルツハイマー型認知症治療剤「リバスチグミン」 [認知症]

ノバルティス ファーマと小野薬品工業は、日本で初となる貼付タイプのアルツハイマー型認知症治療剤「リバスチグミン」の承認を取得した。

「今回承認を取得した『リバスチグミン』はパッチ型であるため、飲み忘れ、飲んだのかどうかわからないという問題を解消する薬である」と、ノバルティス ファーマ 医薬品事業本部長の二之宮義泰副社長。

では、この「リバスチグミン」が発売されることによって、アルツハイマー型認知症患者やその周りの介護者にどのような影響を与えるのだろうか。
香川大学医学部 精神神経医学講座 教授の中村祐先生が詳しく解説してくれた。
「認知症は、年齢とともに出現率が上昇し、85歳以上では4人に1人が認知症である」と、高齢者のほとんどが認知症を発症する可能性があると警告する。
「認知症は、アセチルコリンなどを分泌する神経細胞の低下や細胞死が病態といわれている。アセチルコリンが低下する認知症はアルツハイマー型認知症が多いものの、ほとんどの認知症に該当する」とのこと。
「2007年に実施したアンケートによると、高齢者の半数以上が、がんよりも認知症にかかりたくないと回答していた」と、高齢者にとって最も恐ろしい病気が認知症であるという。

「アルツハイマー型認知症が進行すると、記憶力や判断力の低下にともなって、日常生活で普通に行っていた動作が困難になる。つまり介助が必要となり、患者や介護者のQOL(生活の質)を低下させてしまう。なかでも服薬管理能力が低下しやすいことがわかっている」と、薬を飲んだかどうかがわからなくなってしまうことは、さらなるQOL低下につながると中村先生は訴える。
「これまで、アセチルコリン作用を分解する『アリセプト』という飲み薬しかなかったが、新たに飲み薬の『レミニール』と、パッチ型の『リバスチグミン』が承認された。これによって患者の選択肢が増えたと同時に、パッチ型の薬が発売されたことで、服薬管理がしやすくなると思う」と、貼っているかどうかがわかるパッチ型は、患者と介護者双方にとって利便性の高い薬であると中村先生は述べていた。

「さらに、飲み薬では、薬を直接胃に入れるため、嘔吐など副作用がみられたが、パッチ剤では、消化器症状への影響も少なく副作用が起こりにくい。また、血中濃度の急激な上昇を抑えるなど、利点が多い点も魅力だ」と、経口しないことによるメリットが期待できるという。
「パッチ剤の使いやすさと評価について、介護者にアンケート調査を行ったところ、1日1回貼るだけで、服薬忘れを防ぎやすく、時間も手間もかからないなどの点から、好意的な回答が多かった」とのこと。
「アルツハイマー型認知症は、患者や介護者のQOL低下を防ぎ、日常生活機能を1日でも長く普通に維持させることが重要であると考えている。薬の選択肢が増えることは、この目標を目指すうえで、非常に意味のあることだと認識している」と、今回のパッチ型治療剤の発売が、患者と介護者に大きな望みを与えるものであってほしいと期待を込めていた。

以下、略。

http://www.mylifenote.net/014/110620_6.html
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