アレルギー ブログトップ

緑色野菜や果物で口腔・皮膚症状 [アレルギー]

クロロフィルアレルギーの症例報告
植物に含まれる緑色の色素クロロフィルに対しアレルギー反応を起こす者もいる。
ダボス高山病院(スイス・ダボス)のAnna Isabella Kirsch氏らは,この症例についてドイツアレルギー学会第6回会議のポスター発表で報告した。
食品添加物の人工着色料がアレルゲンとなりうることはよく知られているが,天然色素もアレルギーを引き起こし,口腔や皮膚に異常を来すことがあるとしている。

緑色が強いほど症状が強い
症例は,アトピー性皮膚炎,気管支喘息,アレルギー性鼻炎を有する52歳男性。
最近,緑色の野菜や果物を摂取すると必ず激しい口腔症状を訴え,日光曝露部位の皮膚状態が悪化して呼吸困難に陥り,胃腸症状も呈するという。
また,摂取する食物のうち緑色が濃いものほど,これらの症状が強いと訴えていた。

Kirsch氏らは,まずパッチテストと光アレルギー反応の有無を調べる光パッチテストを実施。
光パッチテストでは,背部被覆部に被験物質を貼布して一部(2カ所貼付した場合はその1カ所)だけに長波長紫外線(UVA)を照射し,未照射部位と照射部位の反応を比較した。
同患者では,リンゴ,葉菜類,ブロッコリー,チコリ,カリフラワーについて検査したが,これらに対するアレルギー反応は認められなかった。

その後,アレルゲンエキスではなく,実際の食物や食品に刺した針を直ちに患者の前腕の皮膚に刺して反応を見るプリック・プリックテストを実施。
同検査では,青ネギ,ホウレンソウ,エンドウ豆,青リンゴ,キウイが陽性となったが,クロロフィルに対する反応は認められなかった。
しかし,針を刺した皮膚部位に光照射を行う光プリック・プリックテストを行ったところ,青ネギとクロロフィルのいずれにも強陽性を示した。
これらの所見と既往歴から,同氏らは最終的にクロロフィルアレルギーとの診断を下した。

出典  MT Pro 2012.1.26
版権 メディカル・トリビューン社


アレルギー ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。