なぜ若手医師の都市部集中が進んだか [その他]

医籍登録後6年目までの若手医師は、2004年度の臨床研修必修化以降、6都県(東京、神奈川、愛知、京都、大阪、福岡)で増加。
1、2年目までの医師は大きな変化が見られないものの、特に3、4年目の医師では増加傾向が強い…。

厚生労働省の「臨床研修制度の評価に関するワーキンググループ」の1月23日の会議で、こんな結果が示されました。
かねてから「臨床研修の必修化を機に、医師不足が加速した」と言われますが、若手医師の都市部集中が改めて浮き彫りに。

主なデータを見ると、以下のようになります。

(1)若手医師のうち、6都府県の医療機関に勤務する割合
・1、2年目の医師:2004年 46.4% ⇒ 2010年 46.8 %(0.4ポイント増)
・3、4年目の医師:2004年 41.9% ⇒ 2010年 46.7%(4.8ポイント増)
・5、6年目の医師:2004年 43.4% ⇒ 2010年 47.0%(3.6ポイント増)

(2)3、4年目医師の医育機関(大学)の勤務者数の変化
・6都府県: 1998年を100%とした場合、2010年は137.8%
・それ以外の道県:1998年を100%とした場合、2010年は122.6%

(3)3、4年目医師の病院(医育機関を除く)の勤務者数の変化
・6都府県: 1998年を100%とした場合、2010年は107.3%
・それ以外の道県:1998年を100%とした場合、2010年は77.1%

厚労省では、「それ以外の道県」における病院(医育機関を除く)について、「研修必修化前から、減少傾向にあったが、必修化後、この傾向が緩やかになった」と解説しています。
とはいえ、地方の大学は、(2)から分かるように、都市部の大学と比べると医師の確保が容易ではなく、「大学あるいは大学医局の医師派遣機能の低下」が地方の病院にも及んでいる図式が伺えます。

なお、5、6年目の医師については、医育機関の医師は、6都府県と「それ以外の道県」ともに減少しているものの、「それ以外の道県」の方が減少幅は大きいという結果です。

日本医師会は、2011年4月の「医師養成についての日本医師会の提案 - 医学部教育と臨床研修制度の見直し - 」(第2版)で、医師の偏在解消のために「研修希望者数と全国の臨床研修医の募集定員数を概ね一致させる」ことを提言していますが、仮にある程度の強制力を持って医師の地域偏在の解消を目指すのであれば、卒後3年目以降の医師の対策が必要になることが分かります。

厚労省は、都道府県が医師確保支援などを行うため、2011年度にモデル事業的に「地域医療支援センター」をスタート(予算は5.5億円)、2012年度も継続する予定(予算要求額は11億円)。
2011年10月27日の社会保障審議会医療部会資料で9県の事例を紹介、岩手県では、「ホームページ等を通じて地域医療を志す医師を募集し、県外から14人の医師が県内医療機関へ就職」と一定の成果を挙げているものの、それ以外の県では成功しているとは言えません。

さらに、専門医に関する検討会を発足させ、議論を進めていますが、現時点では総合医養成の話が中心で、今後、診療科、地域の偏在等にどこまで踏み込むかは未定。

年度末が近付きつつあり、東日本大震災の被災地、特に福島県の病院では、大学医局からの引き揚げも懸念されるところ。
しかし、医師不足対策に決め手を欠くのが現実です。

http://mrkun.m3.com/mrq/community/message/view.htm?cmsgId=201201261650288347&msgId=201201261651528657&mrId=ADM0000000

カルテに「安定」書くべからず [その他]

入院患者46人の看護観察カルテを対象に、「obs stable(observations stable:所見安定)」の記載の妥当性を後ろ向き研究で調査。
78%で「obs stable」の記載が見られた。そのうち71%で記載前24時間以内に頻脈などの異常が記録されており、「obs stable」は使用すべきではないと示唆された。

文献:Scott G et al.Relevance of the expression “obs stable” in nursing observations: retrospective study.BMJ. 2011 Dec 20;343:d7504.
http://www.bmj.com/content/343/bmj.d7504

http://www.m3.com/news/THESIS/2011/12/27/11850/?portalId=mailmag&mm=EA120111_111&scd=0000163094

薬剤処方は控え目が原則 [その他]

ハーバード大学(ボストン)のGordon D. Schiff准教授らは「薬剤処方は控え目を原則にする(conservative prescribing)ことが患者にとって有益である」との総説をArchives of Internal Medicine(2011; 171: 1433-1440)に発表した。

処方量は少なく実績は多くの原則に移行
Schiff准教授らは,研究の背景情報として「65歳未満の60%超が年1回以上の薬剤処方を受けているが,必ずしも診察のたびに処方が必要な患者ばかりではない」と指摘。
また,慎重な薬剤選択を推奨する理由として,予期せぬ副作用が相次いで報告されている現状を挙げている。

同准教授らは,薬剤処方を抑えるために取りうる一連の手順を概説。
「より適切,合理的,慎重もしくは用心深い処方といった標語も用いられているが,conservative prescribingは,よくいわれる“first, do no harm(まず有害でないこと)”という医師の原則を超えたアプローチを示している」と述べ,conservative prescribingのために以下の手順を推奨している。

(1)まず非薬物治療・予防策を考慮する。他の介入が有効ではないか,治療ではなく予防は可能かなどの可能性を考える

(2)より計画的な処方を行う。薬剤選択について正しく理解しているか,新薬に切り替える正当な理由があるか,複数の薬剤の使用が避けられないかを考える

(3)副作用に対する警戒を怠らない。潜在的薬物反応について患者に確認しているか,警戒すべき徴候を患者に伝えているか,選択した薬剤は禁断症状や再発を起こす可能性はないかを確認する

(4)新薬と新しい適応には慎重かつ懐疑的に接する。新しい治療法に関する情報をどこで入手するか,新薬の実績が増えるまで使用を待てないか,その薬剤は適応があり治療に有効かなどを考慮する

(5)検討課題を共有するために,患者とともに熟慮を重ねる。以前に用いたが奏効しなかった経験がないか,効果が見られない原因は患者の服薬不履行ではないかを確認する

(6)長期的で広範囲の効果を考慮する。別の治療の方が将来的に有害性が小さい可能性はないかを検討する

同准教授らは「これらの原則はいずれも特に新しいものではなく,大きな議論を呼ぶものでもないが,総合すると“newer and more is better(より新しく,より多く)”から“fewer and more time tested is best(処方量は少なく,実績は多く)”へのパラダイムシフトを表している」と説明。
処方を決定する際には,特に新薬や臨床実績がない薬剤についてより慎重に判断するように推奨し,「臨床医は常に,必要な薬剤の処方を控えてしまうことのリスクに対して,conservative prescribingの便益を重視しなければならないが,少なくとも,患者を薬剤によるリスクにさらす前に,より高い基準で有効性のエビデンスを求め,その検討結果の立証責任を果たすよう努めるべきである」と強調している。

出典 Medical Tribune 2011.12.8
版権 メディカル・トリビューン社


甘草の有効成分を合成する酵素遺伝子 [その他]

阪大・理研など、甘草の有効成分を合成する酵素遺伝子を発見
大阪大学、理化学研究所、横浜市立大学、常盤植物化学研究所など7機関の産学連携チームは、医薬品や化粧品などに使用される薬用植物である甘草の主活性成分グリチルリチンの生合成にかかわる酵素遺伝子を発見し、酵母菌に導入して中間体グリチルレチン酸を生産することに成功した。
中国ではレアプラント(希少植物・生薬)として甘草の採取や輸出を規制する動きが出ており、価格の高騰、安定供給への懸念が高まっている。
この技術を基盤にすれば、組み換え酵母や植物を用いた工業生産への応用が見込める。

甘草は、地下の肥大根や茎から抽出したエキスが医薬品、化粧品、甘味料などに用いられる。
世界市場の年間輸出額は4200万ドルにのぼる。グリチルリチンが植物体内で生合成される反応プロセスは複雑で、すべて解明されてはいないが、複数の酸化酵素や配糖化酵素の関与が推定される。
酸化酵素シトクロムP450が関与することなどが部分的に解明されはじめている。
またグリチルリチンは、トリテルペンの1種β-アミリンを炭素骨格とし、これを合成するβ-アミリン合成酵素が知られる。
グリチルレチン酸は、抗炎症作用などもつグリチルリチンの薬理活性の本体で、非糖部分に相当する化合物。

研究チームは、カンゾウ類の地下茎から作製した完全長cDNAライブラリーと転写産物の目印となるESTのデータを利用し、生合成中間体の1つ11-オキソ-β-アミリンに変換するP450の1つとして発見したCYP88D6酵素遺伝子、新たに見つけた別のP450ファミリーに属するCYP72A154遺伝子を用いて、生合成経路の再構築に挑戦。宿主とする酵母にまずミヤコグサ由来のβ-アミリン合成酵素遺伝子とCYP88D6遺伝子を同時導入し、11-オキソ-β-アミリンが生産できるように改変して、さらにCYP72A154を導入することで、グルチルレチン酸の生産に成功した。

成果は、米科学雑誌「ザ・プラントセル」に近く掲載される。

出典 Care Net.com 2011.11.29
版権 Care Net


薬剤師も聴診器活用 [その他]

薬剤師も聴診器活用、副作用など早期発見
長崎市の長崎大病院で、医師や看護師が使う聴診器を薬剤師も活用するようになった。

患者の体調を把握するフィジカルアセスメントを通じて、副作用の早期発見などにつなげるのが狙い。九州・山口の医療機関では珍しい取り組みで、フィジカルアセスメントの技術を持つ薬剤師を増やしていく方針だ。

「体調はいかがですか」。
同大薬剤管理指導室長の龍恵美さん(42)はいつものように病室に入ると、白衣のポケットから聴診器を取り出し、男性患者(67)の体に当てた。
皮膚炎で入院中の男性は糖尿病も患っており、約20種類の薬を服用している。
龍さんは副作用が出やすい胸や腹部を中心に、異常がないか確かめた。

男性は「薬の専門家が直接、体調を調べてくれるので安心できる」と歓迎。
龍さんも「患者に触れることをタブー視しなくなった。今では肌つや、目の色なども積極的に確認するようになった」と話す。

日本病院薬剤師会によると、薬剤師によるフィジカルアセスメントは医療行為とみなされ、医師法に抵触する可能性があるとされてきた。
しかし、厚生労働省が昨年4月、医療現場での薬剤師の積極活用が求める通知を出したことを受け、同会は「医療行為には当たらない」との解釈を公表。
こうした動きを背景に、各地の医療機関で研修を実施するなどの動きが広がったという。

長崎大病院は昨年2月、フィジカルアセスメントの技術を持った薬剤師の育成に向け、研究会を設立。月1回、医師や歯科医師らが指導する講習を開き、受講を終えた8人が今年1月から入院患者のフィジカルアセスメントを実施。
副作用の有無の確認や、医師に対する薬の処方提案に生かしている。

これまでの講習では医学生向けの教科書を使ってきたが、同病院では薬剤師を対象にした独自の教科書を作り、8月から始まる講習で活用するという。

北原隆志・同病院副薬剤部長(42)は「下痢をしやすい薬を飲んでいる患者は腹部を中心的にチェックするなど、薬の専門知識を生かせる機会が増えている」と効果を指摘。

日本病院薬剤師会の堀内龍也会長は「これからの薬剤師には積極的に医療にかかわることが求められる。独自の教科書作りなど、長崎大病院の取り組みは全国的にも先進的と言える」と評価している。                                (松下宗之)

◇フィジカルアセスメント◇ 
患者の体の打診や聴診を通じて状態を把握する行為。長崎大病院では講習を受けた薬剤師に聴診器のマークが入ったバッジを配布している。

http://community.m3.com/doctor/showNewsArticleDetail.do?boardId=3&boardTopicId=170049&messageListBoardTopicId=170049&newsArticleId=1676366

<私的コメント> 
先生方はこの記事をどのように読まれましたか。
m3.comにはメッセージが寄せられています。



ボー線、テリー線 [その他]

ボー線,重篤な病態の証拠

爪白癬は透析患者,糖尿病,ステロイド投与中の患者でよく観察されます.

ハーフアンドハーフ爪は慢性腎不全患者で頻繁に観察される所見です.爪の遠位部のメラニン色素沈着による褐色化と近位部の白色化が,爪のコントラストを呈し,ハーフアンドハーフ爪と言われています1).似た所見にTerry’s nail(テリー爪)があります.爪の遠位端が赤褐色を呈し,近位部は白色を呈し,半月が消失しています.肝疾患,心不全,糖尿病,加齢で認められる所見です2).肝硬変の80%でテリー爪を認めたとする報告があります3).

ボー線は横方向に走る溝として認められます.1846年に最初に記載されました.爪の成長を一時的に抑制するような重篤な疾患に罹患したとき,また何らかの化学療法を受けたときに発生します1, 4).図3は血液疾患の患者で過去4カ月の間に3回化学療法を受けた患者の爪の所見です.ボー線は,ほぼ全指に認めます.爪の成長は10日で約1 mmです.つまり,爪の生え際からボー線までの距離は,重篤な病態から何日経過したかを知る手がかりになります.

身体診察は,注意深く行うことによって,さまざまな所見を引き出せるようになります.

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文献
1)Fawcett RS, et al:Nail abnormalities;Clues to systemic disease. Am Fam Physician 69:1417-1424.2004
2)Bickley LS, Szilagyi PG:第5章 皮膚,毛,爪,ベイツ診察法,pp 121-151,メディカル・サイエンス・インターナショナル,2008
3)Mayeaux EJ Jr:Nail disorder. Prim Care 27:333-351, 2000
4)Mortimer N, Mills J;Beau’s Lines. N Engl J Med 351:1778,2004



出典
http://www.igaku-shoin.co.jp/misc/medicina/shikkan4601/

後発品処方に疑問や不安 [その他]

後発品処方に疑問や不安ある 医師の85%に 情報不足の指摘多く
医師限定コミュニティサイト「MedPeer」を運営するメドピアは6月21日、後発医薬品の処方に関する調査結果を発表した。医師に対して後発品の処方に疑問や不安があるかないかを聞いたところ、「ある」が85%を占め、「ない」は15%にとどまった。疑問や不安の理由を聞いたところ、半数以上が「品質」や「効果」に疑問があると回答。先発品と後発品で添加剤が違うにもかかわらず、後発品を扱う企業からの情報量が圧倒的に少ないため、品質などに不安を感じるとの声が多く寄せられた。MedPeer会員医師は約3万6000人。

調査は5月20日~26日に実施した。有効回答数は2568件。調査は会員医師が別の会員医師に日常の素朴な疑問を聞く形で実施するもの。今回の質問は、「政府が後発品使用促進を掲げている。医療費抑制は喫緊の課題だが、現場で働く先生方の多くは、だからといって、後発品の処方に積極的になれない部分があるのではないか」として、積極的になれない理由を▽品質に疑問▽効果に疑問▽副作用の不安▽安定供給の不安▽メーカーの情報提供体制の不安▽国・厚労省の普及政策に疑問▽特に不安・疑問はない――の7択(複数回答可)で聞いた。

その結果、品質に疑問は66%(1448件)、効果に疑問は50%(1083件)、情報提供体制に不安は46%(1009件)、副作用に不安は34%(746件)、普及政策に疑問は26%(564件)、安定供給に不安は24%(524件)――だった。

自由コメントを見ると、後発品に不安や疑問は「ない」との回答医師からは、「品質に疑問はあるが、今のところ処方をためらうほどではない」(30代、一般内科)や「不安は思い込みの面が多いのではないか。今のところ全く問題ない」(50代、消化器外科等)、「基本的な化学構造が同じなら薬理作用でそれほど違いがあるとは思えず」(70代、老年内科)――などの声が寄せられた。

一方、後発品に不安ありとの回答医師からは、「主成分にも不安があるが、賦形剤その他が副作用を起こすこともある」(50代、一般内科)や「情報量が少なすぎる。供給力や添加剤などの情報が全くわからない」(40代、麻酔科)、「効果は経験上、かなり違う。MRがいるのかいないのかわからないが、情報は皆無」(40代、一般内科)、「使用している基材等が違う以上、後発メーカーも副作用などの情報についてはある程度の開示や解析が必要」(30代、老年内科等)、「後発品は『顔』となるべきMRが見えない。信用できない」(50代、小児科)、「テレビCMで一生懸命宣伝しているが、医療者にはほとんど情報提供はない」(30代、小児科)――などが散見された。

また、後発品で健康被害が発生した場合の責任の所在に関するコメントも多く見られ、「使用しているが、(先発品と)全く同じものではない。情報もなく、国が推進しているにもかかわらず、何かあった場合、国が責任をもつとは思えない」(40代、消化器外科)や「後発品で生じた障害の責任をだれが取るのか明確になっていない。ここが最大の問題だと思う」(30代、一般内科)といった内容が寄せられた。

そのほか、「在庫切れが多く、製造中止となる薬も多い印象」(50代、一般内科)や「現実に品切れ、販売中止は日常茶飯事」(50代、一般内科)など安定供給の面から信用できないとのコメントも複数あった。

http://www.mixonline.jp/Article/tabid/55/artid/40962/Default.aspx


米国の医療事情 [その他]

「米国の医学生として帰国し、母国の医療に驚き」というタイトルの記事が日経メディカルオンラインに出ていました。

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■まず私が驚いたのは、日本の病院における軽症入院患者の多さです。たくさんの患者が病院の中をパジャマ姿で歩き、コンビニに行ったりテレビを観たりと動き回っています。基本的に私の大学病院または現在勤務する病院では、1人で歩いている患者にはなかなか出会いません。
■アメリカで廊下を歩いている患者は、理学療法士に付き添ってもらってリハビリに励んでいる人、自分のケアに対して不満を持ち医師に抗議するため部屋から出て来た人、薬物・アルコール依存症や精神疾患で目が離せず、看護師の眼が届くところまで出されている人くらいです。

アメリカでは、病気で弱っている患者については、安全のために「見張り係」の看護助手が付けられます。こうした患者の1人歩きを許して事故になると、訴訟に発展する可能性が高いからです。
■手術の数日前から検査のために入院している人もいます。
■例えば、アメリカの医療者はとにかく入院日数を減らそうとします。
その理由は、(1)不必要な入院をさせると入院費 が病院負担となる(保険会社や公的保険が「不必要な入院」と判断した場合、または病気に応じてある程度規制されている入院日数を超えた場合)、(2)入院 日数が長いほど悪いこと(院内感染や事故)が起こる確率が高い、(3)軽症患者の入院は病院の限られたリソースの無駄遣いになる――といったことでしょ う。
■日本の病院数やベッド数は対医師数比や対人口比でアメリカよりも多いということですから、その分、両国で提供できる医療のスタンダードは大きく違うで しょう。
それでも、「お正月だから家に帰るというくらい軽症なら入院しなくてよいのでは?」というのが、アメリカで医療を学んだ者の率直な感想です。
■日本の診療報酬システムはベッドを埋める方が効率的であるように設計されているのでしょうか?
アメリカとはあまりに異なる状況に、本当にびっくりしました。
■「諸外国と比べて病院数・ベッド数(対人口比)が非常に多い日本なのに、なぜこんなに病院の外来が混むのだろう?」。
不思議で仕方がありませんでした。
■アメリカでは、保険会社に対して初診の請求をするとき、最低限の病歴や診察所見が記録されていなければ全額の支払いを受けられないため、医師はしっかりと患者の話を聞き、診察します。
■アメリカの医療の安全性にも問題点はあると思いますが、訴訟を防ぐという意味もあり、医師はきめ細かく診察して会話をカルテに記載することが当たり前に なっています。
もっとも、これには良い面も悪い 面もあるのですが、少しでも気になることを患者が言えば、答えが出るまで追究するという場面は日本より確実に多いと思います

出典 NM online 2011.4.21
版権 日経BP社

ロボット手術の効果は? [その他]

ロボット手術は病院のウェブサイトで売り込み過ぎ
多くの病院が自身のウェブサイトでロボット手術のベネフィット(便益)を宣伝しているが、その主張を裏付ける確実なエビデンス(科学的根拠)はないことが、米ジョンズ・ホプキンス大学(ボルチモア)の研究者らによって報告された。
実際、今回の研究では、10施設中4施設は「ロボット手術が従来の手術よりも優れている」という製造業者の主張を使用しているに過ぎなかった。


同大学外科准教授のMarty Makary博士らは、消費者は確かな信頼できる情報として病院のウェブサイトに左右されるため、この知見は特に問題になるという。
同氏らは200床以上の病院400施設のウェブサイトを対象に、ロボット手術が使用可能かどうか、さらに2010年6月時点で掲載されている情報について検討。
製造業者から直接得た写真と文章を使用している施設数と、ロボット手術の有効性に関する主張を調べた。

研究の結果、41%のウェブサイトはロボット手術が使用可能であることと、その効果を詳述していた。
また、これらのサイトの37%がホームページに情報を掲載し、66%は他のページにリンクしていた。サイトの73%が製造業者から得た情報をそのまま掲載し、33%は製造業者のサイトへ直接リンクしていた。

89%の施設はロボット手術が従来の手術よりも優れているとし、痛みが少ない(85%)、回復までの期間が短い(86%)、瘢痕が少ない(80%)、失血量が少ない(78%)ことを主張していた。麻酔時間が長いことや、ロボットアームを設置するために2つ目の切開が必要であるといったロボット手術に関連するリスクを説明しているサイトはなかった。
研究結果は、医学誌「Journal for Healthcare Quality(医療の質)」オンライン版に5月17日掲載された。

Makary氏は「ロボット手術の宣伝は病院にとって非常によい戦略である。ロボット手術を行えば、患者はその病院で最先端の治療を行っていると思う可能性がある」と述べ、資料を製造業者が提供していることに言及していない施設が多かったこと、32%の施設がロボット手術により癌(がん)の転帰が改善するとしていたが、研究では従来手術を受けた患者と同程度の合併症が認められること、従来手術と比較する無作為化試験は行われていないことを指摘している。

最も広く使用されているロボット支援手術システムのダ・ヴィンチを製造している米Intuitive Surgical社(カリフォルニア州)のChris Simmonds氏は、同社が病院のウェブサイトに既成の販売材料を提供していることを認めつつも、「ロボット手術のベネフィットのエビデンスは十分な裏付けがある」という。
別の専門家は「患者はよく検討して正しい情報を確認しなければならないが、ロボット手術成功の鍵は他の手術と同じく医師のスキル(技術)と経験である」と述べている。

出典  Health Day News 2011.5.31
版権  Health Day (ヘルスデージャパン)


肥満と肥満症 [その他]

出典 日本内科学会誌 第100巻 第4号・平成23年4月10日 P897~902
版権 日本内科学会
執筆者;東京逓信病院 宮崎 滋先生


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