乳房温存術後の放射線療法 [がん]
乳房温存術後の放射線療法で再発・死亡リスクが有意に低下 EBCTCGによるメタアナリシス
Early Breast Cancer Trialists' Collaborative Group(EBCTCG)は,早期乳がん患者約1万例のデータを用いたメタアナリシスの結果から,乳房温存術後に放射線療法を施行した患者では,非施行の患者に比べて10年以内の再発率が半減し,また15年以内の乳がん死亡率も6分の1低下することをLancet(2011; 378: 1707-1716)に発表した。
約1万例の患者データを解析
EBCTCGは今回,早期乳がん患者を対象に,乳房温存術後の放射線療法施行の有無で予後を検討した17件のランダム化比較試験(RCT)から1万801例の患者データを用いてメタアナリシスを実施した。対象とした試験の平均追跡期間は10年で,このトピックスを扱った研究としては過去最大規模であるという。
解析の結果,乳房温存術後に放射線療法を施行した患者群では,治療1年後から明らかな再発率の低下が認められ,その効果は10年後も維持されていた。
乳がんの診断から10年後までの再発率は,放射線療法非施行群の35.0%に対し,施行群では19.3%と有意に低かった。
また,放射線療法施行の有無によって死亡率に差が生じるまでにはより長期間を要したものの,診断から15年後までの乳がん死亡率は,放射線療法非施行群の25.2%に対し,施行群では21.4%と有意に低かった。
なお,リンパ節転移の陰性例7,287例と陽性例1,050例では,ともに同様のリスク低下が認められた。
さらに,放射線療法施行による乳がん以外の死亡リスクの増大は見られないことから,放射線療法による15年後の死亡リスクの低下は,乳がん死亡率の低下が寄与していると考えられた。
同グループは「乳房温存術後の放射線療法は,再発リスクを大幅に低減させるだけでなく,乳がん死亡リスクも抑制することが分かった。この結果は,放射線照射により温存乳房中の残存微小腫瘍を死滅させることで,局所再発と遠隔転移のいずれも低減できる可能性を示唆している」と述べている。
さらに「対象患者の試験登録当時から,スクリーニングや手術,病理学,放射線療法,全身療法のすべてが大きく変化を遂げていることから,今後,放射線療法の施行でもたらされる再発率の低下幅は,今回の数字とは大きく異なる可能性がある。
しかし今回,絶対リスクが大きく異なる広範な患者群で再発率の半減が認められたことから,これから乳房温存手術を受ける患者に対しても,放射線療法は再発率をほぼ半減させるのではないかと期待される」と結論付けている。
放射線療法が手術と全身療法の進歩を確かなものに
テキサス大学MDアンダーソンがんセンター(米テキサス州ヒューストン)放射線腫瘍学部のThomas A. Buchholz教授は,同誌の付随論評(2011; 378: 1680-1682)で「EBCTCGによるメタアナリシスは極めて重要な洞察を提供し続けている。これらの結果は,乳がん治療における放射線療法の役割をさらに高め,中でも同療法が手術と全身療法の進歩を確かなものにしているという知見は特に意義深い。それぞれの治療が徐々に進歩することで,乳がん死亡率は低下し続けている」と述べている。
出典 Medical Tribune 2012.1.26
版権 メディカル・トリビューン社
Early Breast Cancer Trialists' Collaborative Group(EBCTCG)は,早期乳がん患者約1万例のデータを用いたメタアナリシスの結果から,乳房温存術後に放射線療法を施行した患者では,非施行の患者に比べて10年以内の再発率が半減し,また15年以内の乳がん死亡率も6分の1低下することをLancet(2011; 378: 1707-1716)に発表した。
約1万例の患者データを解析
EBCTCGは今回,早期乳がん患者を対象に,乳房温存術後の放射線療法施行の有無で予後を検討した17件のランダム化比較試験(RCT)から1万801例の患者データを用いてメタアナリシスを実施した。対象とした試験の平均追跡期間は10年で,このトピックスを扱った研究としては過去最大規模であるという。
解析の結果,乳房温存術後に放射線療法を施行した患者群では,治療1年後から明らかな再発率の低下が認められ,その効果は10年後も維持されていた。
乳がんの診断から10年後までの再発率は,放射線療法非施行群の35.0%に対し,施行群では19.3%と有意に低かった。
また,放射線療法施行の有無によって死亡率に差が生じるまでにはより長期間を要したものの,診断から15年後までの乳がん死亡率は,放射線療法非施行群の25.2%に対し,施行群では21.4%と有意に低かった。
なお,リンパ節転移の陰性例7,287例と陽性例1,050例では,ともに同様のリスク低下が認められた。
さらに,放射線療法施行による乳がん以外の死亡リスクの増大は見られないことから,放射線療法による15年後の死亡リスクの低下は,乳がん死亡率の低下が寄与していると考えられた。
同グループは「乳房温存術後の放射線療法は,再発リスクを大幅に低減させるだけでなく,乳がん死亡リスクも抑制することが分かった。この結果は,放射線照射により温存乳房中の残存微小腫瘍を死滅させることで,局所再発と遠隔転移のいずれも低減できる可能性を示唆している」と述べている。
さらに「対象患者の試験登録当時から,スクリーニングや手術,病理学,放射線療法,全身療法のすべてが大きく変化を遂げていることから,今後,放射線療法の施行でもたらされる再発率の低下幅は,今回の数字とは大きく異なる可能性がある。
しかし今回,絶対リスクが大きく異なる広範な患者群で再発率の半減が認められたことから,これから乳房温存手術を受ける患者に対しても,放射線療法は再発率をほぼ半減させるのではないかと期待される」と結論付けている。
放射線療法が手術と全身療法の進歩を確かなものに
テキサス大学MDアンダーソンがんセンター(米テキサス州ヒューストン)放射線腫瘍学部のThomas A. Buchholz教授は,同誌の付随論評(2011; 378: 1680-1682)で「EBCTCGによるメタアナリシスは極めて重要な洞察を提供し続けている。これらの結果は,乳がん治療における放射線療法の役割をさらに高め,中でも同療法が手術と全身療法の進歩を確かなものにしているという知見は特に意義深い。それぞれの治療が徐々に進歩することで,乳がん死亡率は低下し続けている」と述べている。
出典 Medical Tribune 2012.1.26
版権 メディカル・トリビューン社
2012-01-29 12:00
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